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定価 3850円(本体 3500円+税10%)
A5判 上製 ・440ページ
1995年 7月 刊
ISBNコード:978-4-8269-1964-5
分類コード:C0040
在庫状況:在庫僅少
THE THREE-POUND UNIVERSE by Judith Hooper & Dick Teresi

脳と心の迷路 心の化学から魂のニューフロンティアまで

ジュディス・フーパー/ディック・テレシー 著 林 一 訳

狂気,暴力,愛,多重人格,信仰,夢遊病,意識,記憶,臨死体験……。私たちのありとあらゆる行動・営みを射程に入れて脳の不思議と心の深淵に分け入り,重さにしてわずか3ポンドの器官,脳に広がる無限の世界を追究する。『3ポンドの宇宙』の改題新装版。

目次

序文 汝自身を知れ アイザック・アシモフ

1 3ポンドの宇宙
古い謎/これから始まるアトラクションの予告篇/劣等感/機械としての脳/スミス氏の脳の内幕/還元論とブラックボックス/シナプスにおける実存的懐疑/ポルシェ911の中の形而上学/これからの旅

 

[意識のハードウェア]

 

2 創造の頂点
電気的な脳 初心者のための神経解剖学/皮質の地理学/三位一体の脳/NIMHの竜/固定配線の脳/動物は意識的か? 話をするサル/事物が名をもたない森/普遍文法/有限な脳/なぜ進化は紀元10万年に終ったのか?/脳地図の制作/教育のあるラット/希望に神経細胞を発火させることができるか?
3 化学的な脳
シナプスに宿る神/脳にあけた穴/実現不能な夢/レセプター時代/われわれの中の天然アヘン剤/現実をふるいにかける/音楽、エンドルフィン、そして観念論哲学者/脳の陰と陽/脳の設計変更/不安の終り/完全な睡眠と完全な覚醒/記憶薬/完全な痛み止めの探求/瞑想丸、ダイエット・ピル、愛錠/思考の糧/分子から神秘主義へ/電気的ビール風味多色スープ
4 狂気その他……脳のいろいろな窓
イドとエゴの彼方/地下の世界を訪ねる/何が分裂病を起こすのか?/ドーパミン病/損傷はどこに?/分裂病ウイルスの探求/分裂病の自己免疫説/脳の窓/生化学地図探検/生の色のレセプター/脳のアルファベットを学ぶ/電気的な脳を充電する/“あっ!波”の解剖/なぜ国防省が注目するのか?/生物サイバネティックスの夢/脳の副詞/P三〇〇を超えて/脳の生得言語/読心の不可能性
5 電気的な天国と地獄
6 カリギュラの脳=暴力の神経生物学
反戦ピルがありえないだろうというのはなぜか?/権力の寓話/ヘンリー・キッシンジャーの内分泌/何がチャーリーを走らせるのか?/自殺脳/失われた生化学物質の事件/小脳の秘密/愛対暴力/鰐男/扁桃体切除と悪魔学
7 記憶=ウミウシから『スワン家の方へ』
コインの裏/とらえどころのない記憶痕跡/側頭葉におけるフラッシュバック/まがいものの記憶/共食いする虫/シナプスにおける大騒動/ウミウシの記憶/記憶の痕跡が見つかった?/空想的科学の断片/記憶の種類/つくり話/健忘症再考/忘れられた自伝/サルが見、サルが忘れる/記憶にない記憶/意識のない意識/二つ(あるいはそれ以上)の自己が一つに/シリコンのナメクジ
8 部屋がいくつもある自己
二つの心が一つに/右脳=馬鹿か眠れる天才か?/えっ、正しいですって?/イドとエゴ/なぜ二つの半球が?/はだかの王様/自己たちの間の戦争/チンパンジーよりもとんま/PR係としての自己/多相的な見方/イヴのいくつかの脳/マリオンの再統合/いくつかの困惑する問題

 

[変容状態]

 

9 逆さ吊りの男=意識の変容状態
10 幻覚の解剖=虚無の予言者
11 荘子と胡蝶=夢と現実
フロイトの塔のてっぺんに登る/なぜ夢をみるのか?/過労のコンピュータ/夢の脱解釈/無限大の図書館/アリス、バークリー僧正に会う
12 国境検問所=ニア・デス体験
自己視的実在論/体外知覚?/大きな秘密/天国の分譲住宅/みなさん、ひとつ真面目に…標準的な医学的“説明”の概略/NDEの旅も悪くない…/プラトン的二元論再訪/ライプニッツの時計/同期性と心/偶然の悟り?/アトランタの光明/答なんかない!
13 脳の中の神=知覚の扉を磨いてみれば…
実在する減量バルブ/神への薬理学の橋/回心の解剖/脳の中の天国と地獄/知覚の裂けめ/感覚を越えて/ジャンヌ・ダルク人格/ホログラムとしての脳/宇宙的ホログラム/病める魂と狂った聖者

 

[心/脳コネクション]

 

14 カオス、ストレンジ・アトラクター、そして意識の流れ
小世界としての水道栓/背理的秩序/カオスと脳/バッグ・レディの秘密のメッセージ/生物学のための数学/ラットの不思議な幾何学/フロイト、ユング、そしてストレンジ・アトラクター/秩序の高次形態/変形菌と社会/自然との新しい対話/幽霊と機械について/ラットはつねに正しい!

略年表・意識を探る旅
訳者あとがき
参考文献
索引

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