白揚社トップ > 書籍案内 > 森田療法で読む 強迫性障害

定価 2090円(本体 1900円+税10%)
B6判 上製 ・256ページ
2015年 3月 20日 刊
ISBNコード:978-4-8269-7159-1
分類コード:C0011

森田療法で読む 強迫性障害 その理解と治し方

北西憲二・久保田幹子 編

★増加の一途をたどる強迫性障害を徹底解説★

過食や拒食などの摂食障害、ドアの鍵やガス栓の確認行為が止められない不完全恐怖、汚れが気になり何度も手を洗う不潔恐怖……。100万人を超えると言われる強迫性障害に苦しむ人に、森田療法による回復の道を説くとともに、精神医療従事者に治療の方針を提示する。

目次

はじめに

 

Ⅰ 森田療法で読む強迫性障害

 

1 現代社会と「強迫」の病理

不安障害の薬物療法――SSRIの登場とそれに対する批判をめぐって/東洋の叡智による我執の理解・解決法/所有の病理/森田療法と東洋的人間学/東洋的自然論と無我論――おのずからなるもの

2 強迫性障害の病理と治療選択

強迫の精神病理/強迫性障害に共存する精神障害/強迫性障害に対する精神療法/症例のアセスメントと治療方針の選択

3 強迫性障害の生物学的側面――森田学説との関連

強迫性障害の薬物療法/DSM-5における強迫性障害の位置付け/強迫性障害の異種性/森田学説に見る先見性

4 森田療法と認知行動療法

強迫性障害に対する従来のCBT/強迫性障害に対する森田療法/従来のCBTと森田療法の比較/第三世代のCBTと森田療法/森田療法とMABTの比較

 

 

Ⅱ 「強迫性障害」からの回復――その治療戦略をめぐって

 

1 入院森田療法――入院の枠組みと治療のポイント

入院森田療法における治療適否の判断と導入のポイント/入院治療の流れと各期の介入のポイント/入院森田療法の治療構造の意味/治療スタッフの対応/家族への介入のポイント

症例1 青年期に発症した不潔恐怖の男性

症例2 思春期に発症した不完全恐怖の男性

症例3 中年期に発症した不潔恐怖の女性

症例4 中年期に発症した不完全恐怖の男性

入院森田療法の治療成績

2 外来森田療法――外来での治療のポイント

外来森田療法導入時の技法上のポイント/外来森田療法の基本的な治療技法/外来森田療法における家族への介入について

症例1 強迫的な生き方で行き詰まった青年期女性

症例2 摂食障害の大学生

症例3 強迫性障害の青年期男性

症例4 結婚を契機に発症した強迫性障害の成人女性

症例5 人事異動から強迫症状が強まった中年男性

3 自助グループとのかかわりでどう変化していくか

 

あとがき

編者紹介

北西憲二・久保田幹子

北西憲二

森田療法研究所・北西クリニック院長

1970年東京慈恵会医科大学医学部卒業後、同大学附属第三病院にて入院森田療法を行う。1996年森田療法研究所・北西クリニック(外来森田療法専門クリニック)を開設。2001年から10年間、日本女子大学人間社会学部教授。

主要著書:『我執の病理』、『回復の人間学』(ともに白揚社)、『森田療法を学ぶ』(金剛出版)など。

 

久保田幹子

法政大学大学院人間社会研究科臨床心理学専攻 教授

上智大学大学院文学研究科心理学専攻、博士後期課程修了。東京慈恵会医科大学附属第三病院にて、入院・外来森田療法を行い、2006年より現職。

役職:日本森田療法学会常任理事、事務局長など。

共著書:『心理療法プリマーズ森田療法』(ミネルヴァ書房)、『強迫の精神病理と治療』、『森田療法を学ぶ』(ともに金剛出版)など。

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