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定価 本体 2500円(税別)
四六判 上製 ・326ページ
2016年 2月 10日 刊
ISBNコード:978-4-8269-0186-4
分類コード:C0045
SHOCKED: ADVENTURES IN BRINGING BACK THE RECENTLY DEAD by DAVID CASARETT

蘇生科学があなたの死に方を変える

デイヴィッド・カサレット 著 今西康子 訳

人を蘇らせる驚異の生物学を現役医師がレポート

溺れてから5時間後に息を吹きかえした女性、冬眠状態で3週間飲まず食わずで生きぬいた男性……。奇跡の生還を科学的に再現しようとする試みが、近い将来あなたの死をリセットするかもしれない!?

 

AED(自動体外式除細動器)の普及やCPR(心肺蘇生術)の精緻化に加え、低温状態の細胞生理や、迅速に体温を下げるための工学技術、冬眠状態を人工的に誘発する物質の探索などの斬新な研究により、今後、蘇生成功率は向上し続けると考えられる。

 

著者は、こうした胸躍る科学の発展をユーモアたっぷりに描く一方で、命を取りとめても意識が戻らず、治療の断念を選択する家族の例など、蘇生後の厳しい現実にも光を当て、バランスの取れた視点から蘇生科学の現状と将来を描き出す。

目次

第1章 命の限界を探って
奇跡の女の子
厳しい現実
ティートーノスの苦難

 

第2章 自殺に適したアムステルダム——蘇生術誕生
溺水者の味方、アムステルダム協会
もしかすると小さな命の光が隠れているかもしれない
馬の背にくくられて走ってみた
羽根・鞭・氷——初期の蘇生科学
安全な棺桶/時期尚早死亡宣告恐怖症

 

第3章 アイスウーマンの秘密——蘇生科学の常識を疑う
単純で堅牢
鳥を蘇生させる
ショック、胸骨圧迫、人工呼吸、薬剤投与……
破綻した細胞の中では何が起きているのか?
つめたく冷やされた動物たち
ゾンビ犬/ブタの冷却を工学する
荒々しい人体冷却法
冷却技術を駆使する医療

 

第4章 人工冬眠——命の一時停止は可能か
科学とSFとのはざまで
冬眠科学の目覚め
冷たくても生きている
何が冬眠を指揮しているのか?
臓器の保護作用
異なる進化
マウスとヒトの冬眠物質
体温を維持して代謝だけを下げる変わり者
第三の物質
臨床応用の可能性

 

第5章 不死をめざすクライオノーツたち——凍結保存という選択
自然は常に上を行く
いったん死んで、時間を飛び越える
クライオノーツを待ち受ける試練
ガラス化保存法
構造か、機能か
成功の可能性
これをただの不運として片付けられるか?
山積みの課題、多すぎる不確定要素
あるがん患者の決心
想定外のエラー

 

第6章 あなたが救命処置をする日
史上もっともたくさんキスを受けた顔
もっと強く、もっと速く
CPRは本当に効果があるのか?
その場に居合わせたら、あなたは実行できる?
誰でも救急救命士
AED格差
いつでも、どこでも、電気ショック
蘇生の代償

 

第7章 曖昧になる生と死の境界
可能性は広がり続ける
幸いなる失敗
失敗してさえいない
「モラルハザード」と救命のコスト
どこまで進み続けるか?
奇跡が訪れなかったら

 

謝辞

著者紹介

デイヴィッド・カサレット

ペンシルヴェニア大学ペレルマン医学大学院の教授であり、医師、研究者でもある。著者の研究には累計1万人以上の患者が参加しており、その成果を報告した100篇を超える論文は『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』『アメリカ医師会誌』などの権威ある医学誌に掲載されている。「若手科学者・エンジニア大統領賞」受賞。フィラデルフィア在住。

翻訳者紹介

今西康子

神奈川県生まれ。訳書に『ミミズの話』(飛鳥新社)、『ウイルス・プラネット』(飛鳥新社)、『「やればできる!」の研究——能力を開花させるマインドセットの力』(草思社)、共訳書に『眼の誕生——カンブリア紀大進化の謎を解く』(草思社)などがある。

書評情報

週刊ダイヤモンド 2016年6月11日 瀬名秀明(作家)

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