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定価 2860円(本体 2600円+税10%)
四六判 上製 ・368ページ
2019年 3月 7日 刊
ISBNコード:978-4-8269-9061-5
分類コード:C0045
A Matter of Breeding by Michael Brandow

純血種という病 商品化される犬とペット産業の暗い歴史

マイケル・ブランドー 著 マーク・ベコフ 序文 夏目大 訳
犬たちはなぜ苦しまなければならないのか?

 

ケネルクラブ、ドッグショー、ブリーダーによる犬のブランド化のおかげで、多くの「純血種」が遺伝性障害に苦しんでいる。

私たちは「人類最良の友」にいったい何をしてきたのか?

人間の強欲と犬の受難を描いた壮絶な「純血種」の歴史と真実。

目次

序 マーク・ベコフ

まえがき

 

第1章 イギリスの古き良き伝統

イングリッシュ・ブルドッグのボブ/数え切れないほどの処方薬/目まぐるしく変わる流行/イギリス人にとって特別な犬/ブルベイティングという残虐な娯楽/変わりゆくブルドッグ像/戯画化された犬/曲げられた自然/良い血統に生まれたからといって……

第2章 純血種への行き過ぎた信仰

フレンチ・ブルドッグのウィニー/誤った慈悲心/フレンチ・ブルドッグとパリの貴婦人/耳の形をめぐる争い/折れ耳か、コウモリ耳か/誰のための利益か?/プロクルステスの寝台/あらゆる犬は「雑種」である/犬とオオカミ/人間とオオカミ/先祖に近い犬

第3章 犬による社会的地位の証明

名誉の発明/紋章に使われた三つの犬種/愛犬を紋章に/銃器製造業者が開いたドッグショー/酒場で犬を見せ合う/飼い主の社会的身分/「家の犬」/残酷な見世物からドッグショーへ/美しきニワトリたち/美には代償が伴う/ベスト・モンスタードッグ賞

第4章 優生学と犬と人間

雑種犬のサマンサ/外見から行動が予測できるか?/支配階級は純血を好む/人の優生学、犬の優生学/受け継がれていく古い価値観/「純血種」の驚くほど多様な子犬たち/アメリカにおける権威/ジェントルマンの深い考え/「改良」の成果/目を向けるべきもの/見当違いの美徳/働く場所を失ったボーダー・コリー/下がり続ける知性/介助犬にはなぜレトリーバーが多いのか?/ドッグショーの評価とセラピー犬の実力/「純粋」すぎたジャーマン・シェパード/捨てられた犬たちの時代

第5章 見世物にされた犬たち

金色の衣装に閉じ込められて/ラッシーとコリー/リンティンティンとジャーマン・シェパード/「彼らを犬にしてしまってはならない」/神話、伝説、空想/家具および装身具としての犬/耳/尻尾/毛色/ネコ科動物への憧れ/犬にすら見えないように

第6章 ミダス王の手

ボストン・テリアのマージとユーニス/アメリカの紳士/失われたコミュニケーション能力/タキシードを着せられた犬たち/イギリスの模倣/王族と貴族と血統書/権威の象徴を手に入れろ/利用されたアメリカ人/特権階級と触れ合える場所/横行する不正と不品行/抜け目のない人々/犬が主役の盛大なカーニバル

第7章 売買される貴族の地位

豚から真珠を奪うように/二度目の独立宣言/AKCの自社ブランド/民主的なブリーディング/アメリカらしい名前/「アダム」の出自/ブルドッグとの闘争/放浪癖のない犬/売り出されるボストン・テリア/階級模倣への果ない欲望

第8章 猟犬たち

ラブラドール・レトリーバーのテス/都会に暮らす猟犬たち/多様なレトリーバー/セント・ジョンズ・ウォーター・ドッグ/貴族に「救い出された」犬/狩猟という見世物/狭められた能力/狩りとドッグショー/人間の序列を守るために/銃の進歩と犬の変化/ポインターの奇妙な行動/狩猟場外での活躍

第9章 ラブラドール・レトリーバーの帰還

階級と狩猟/雑種犬の復権/ラブラドールの帰還/ラブラドールを求めた名士たち/アメリカでの初仕事/たまに会うだけの家族/閉鎖的なコミュニティ

 

おわりに――フランケンシュタイン博士の研究室、あるいは城で暮らすための代償

 

訳者あとがき/註/索引

著者紹介

マイケル・ブランドー

犬の支援、地域社会活動の経験を持つ、ニューヨーク在住のジャーナリスト。「ニューヨーク・タイムズ」等に犬に関するエッセーを数多く発表し、好評を得ている。

翻訳者紹介

夏目大

翻訳家。レナード『ゴビ』(ハーパーコリンズ)、ゴドフリー=スミス『タコの心身問題』(みすず書房)、『あなたの人生の意味』(早川書房)、リンデン『脳はいいかげんにできている』(河出書房)ほか訳書多数。

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