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定価 本体 5500円(税別)
A5判 上製 ・560ページ
1997年 07月 20日 刊
ISBNコード:978-4-8269-0077-5
分類コード:C0044
Black Holes and Time Warps by Kip S. Thorne

ブラックホールと時空の歪み アインシュタインのとんでもない遺産

キップ・S・ソーン 著 林一/塚原周信 訳

全米ベストセラーの超話題作!

 

ブラックホールの中はどうなっているのか? 特異点とは何か? 時間旅行は可能なのか? 宇宙物理学の最高権威が15年をかけて書き上げた現代宇宙論の決定版。「宇宙で最も神秘的な対象をめぐる魅力あふれる物語」とスティーヴン・ホーキングも絶賛。

目次

序文 宇宙でもっとも神秘的な対象ブラックホールをめぐる魅力あふれる物語 S・ホーキング
緒言 一般相対性理論の未確認の予測を信じる勇気を F・ザイツ
まえがき この本には何が書いてあり、どう読んでほしいのか

 

プロローグ ホール巡りの旅
ここで読者が出会うのはSFのブラックホールとあらゆる不思議だ。それも1990年代半ばの最新の。

冥府

サギッタリオ

ガルガンチュア

故郷

 

第1章 空間と時間の相対性
アインシュタインの理論は空間と時間は絶対的というニュートンの考えを壊す。

ニュートンと絶対空間と時間、およびエーテル

アインシュタインの相対論的空間と絶対的な光速

物理法則の本性

 

第2章 空間と時間のワープ
空間と時間をミンコフスキーは統合し、アインシュタインはワープする。

ミンコフスキーの絶対時空

ニュートンの重力の法則と、それを相対論と娶らせようとするアインシュタインの第一歩

潮汐重力と時空の湾曲

 

第3章 ブラックホールの発見と否認

アインシュタインの時空ワープの法則はブラックホールを予測した。なのに、彼自身は否認した。

 

第4章 白色矮星の謎
重い星の死をめぐるエディントンとチャンドラセカールの師弟の争い。死ぬときには星は収縮してブラックホールを作るのか? 量子力学がそれを救うのか?

量子力学と白色矮星の中身

最大質量

戦い

 

第5章 避けられない爆縮
力の中でもっとも強いあの核力でさえ、重力の押しの強さに潰される。

ツヴィッキー

ランダウ

オッペンハイマー

ホイーラー

 

第6章 爆縮の果てに何が?
理論物理学のあらゆる武器を用いても、爆縮がブラックホールを作るという結論は避けられない。

ブラックホールの誕生=最初の一瞥

核の間奏曲

ブラックホールの誕生=より深い理解

 

第7章 黄金時代
ブラックホールがスピンして脈動していることがわかり、エネルギーを蓄え、放出し、頭髪のないことも判明した。

指導教授=ホイーラー、ゼリドヴィッチ、サイアマ

ブラックホールにはヘアがない

ブラックホールはスピンし脈動する

 

第8章 探索
この大空に漆黒の穴を見つけ出す方法を提案し追求し、(たぶん)成功に導いてみせる。

方法

探索

 

第9章 掘り出し物
思いがけない掘り出し物のおかげで、天文学者は突然、銀河の中心に太陽の100万倍の重さのブラックホールが(たぶん)あると結論することを強いられた。

電波銀河

クェーサー

巨大ブラックホール

 

第10章 時空湾曲のさざ波
重力波はその中にブラックホール衝突の交響曲を暗号化して地球に運び、そして物理学者は波を検出する装置を工夫してこの交響曲を解読する。

交響曲

バー

LIGO

 

第11章 時空は本当に湾曲しているのか平坦か?
時空は日曜には湾曲し月曜には平坦であり、地平は日曜には真空であり月曜には電荷でできているが、日曜にも月曜にも実際は細部まで完全に一致する。

 

第12章 ブラックホールの蒸発
ブラックホールの地平は放射と熱い粒子の大気に覆われ、それがゆっくり蒸発してホールは縮み、やがて爆発する。

ブラックホールは成長する

エントロピー

ブラックホールは放射する

ブラックホールは収縮し爆発する

 

第13章 ブラックホールの内部
物理学者はアインシュタイン方程式と取り組みブラックホールの中の秘密を探ろうとする。もう一つの宇宙に通じる通路か? 無限大の潮汐重力を秘めた特異点か? 時空が終焉し量子の泡が誕生する場所か?

特異点と他の宇宙

ペンローズ革命

最良の推測

 

第14章 ワームホールとタイムマシン
著者はつぎのように尋ね、物理法則への洞察を求める。高度文明は星間旅行のために超空間を通り抜けるワームホール、時間を遡るタイムマシンが作れるか?

ワームホールとエキゾチックな物質

タイムマシン

母親殺しのパラドックス

クロノロジー保護?

 

エピローグ アインシュタインの遺産、その過去と未来の概観と、何人かの主人公の後日談。

 

謝辞/登場人物/年表/用語解説/訳者あとがき/補註/参考文献/事項索引/人名索引

著者紹介

キップ・S・ソーン

1940年、米国ユタ州ローガン生まれ。プリンストン大学でPh.Dを取得し、現在、カリフォルニア工科大学理論物理学教授。米国芸術科学アカデミーおよび全米科学アカデミー会員。1981年にモスクワ大学から名誉学位を受けたほか、米国物理学会-USスティール基金サイエンス・ライティング賞を物理学・天文学部門で初めて受賞した。ジョン・ホイーラー、チャールズ・マイスナーとともに著したGravitationは、ほとんどの物理学者がアインシュタインの一般相対性理論を学ぶ教科書になっている。

翻訳者紹介

林一/塚原周信

林 一(はやし・はじめ)

1959年、立教大学理学部物理学科卒業。現在、昭和薬科大学教授。専門は理論物理学・科学史。著書に『薬学のためのアリバイ工作』(海鳴社)、『中国医学は現代科学を覆すか』(朝日新聞社)、訳書にホフスタッター『ゲーデル,エッシャー,バッハ』(共訳、白揚社)、『ホーキング、宇宙を語る』(早川書房)、ペンローズ『皇帝の新しい心』(みすず書房)など多数。

 

塚原周信(つかはら・かねのぶ)

1977年、立教大学大学院理学研究科修了(理学博士)。現在、京都職業能力開発短期大学校。専門は物理学・情報教育。著書に『Fortanによる情報処理入門』(共著、近代科学社)、訳書にシュナイダー『科学の楽しい発想法』(社会思想社)がある。

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