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定価 本体 2800円(税別)
四六判 上製 ・448ページ
2014年 6月 刊
ISBNコード:978-4-8269-0173-4
分類コード:C0040
Quantum Physics for Poets by Leon M. Lederman, Christopher T. Hill

詩人のための量子力学 レーダーマンが語る不確定性原理から弦理論まで

レオン・レーダーマン&クリストファー・ヒル 著 吉田三知世 訳

ノーベル賞物理学者が贈る最上の入門講義

教育に力を入れる実験物理学者が、物質を根底から支配する不思議な量子の世界を案内する。基本概念から量子コンピューターなどの応用まで、数式をほとんど使わずにやさしい言葉で説明した、だれもが深く理解できる量子論。

目次

第1章 これがショックじゃないなら、君はわかっていないのだ
前もって少し量子力学を見ておこう/どうして量子論は心にしっくりこないのだろう?/薄気味悪い遠隔作用/シュレーディンガーのトラ猫/数学は使いませんよ。でも、数がいくつか登場するかもしれません/どうして「理論」が大事なのか?/直感? いえいえ、反直感を刺激しなきゃ

 

第2章 量子以前
話をややこしくする因子/放物線と振り子/大砲と宇宙

 

第3章 隠れていた光の性質
光はどれぐらいの速さで進むのか?/でも、光は何でできているのだろう? 粒子、それとも波?/トマス・ヤング/回折/ヤングの二重スリット実験――その恍惚感と苦悩/ヤングの結論――光は波だ/残された疑問/原子の指紋/マクスウェルとファラデー――地主と製本職人

 

第4章 反抗者たち、オフィスに押しかける
黒体とは何か? なぜ大事なのか?/私はベルリン市民です/紫外破綻/マックス・プランク/アインシュタイン登場/光電効果/アーサー・コンプトン/二重スリット実験、威力を増して再登場/スリットに罠をしかける/鏡に映してはっきりと/セイウチとプラムプディング/憂鬱症のデンマーク人/原子の性質

 

第5章 ハイゼンベルクの不確定性原理
自然は離散的である/フランク=ヘルツの実験/恐怖の二〇年代/奇妙な数学/不確定性原理の誕生/これまでに記された最も美しい方程式/フーリエ・スープ(または、「私たちカンザスに戻ってきたみたいね」)/確率の波/不確定性の勝利/ボルン、フーリエ、そしてシュレーディンガー/コペンハーゲン解釈/何年経ってもまだクレージー

 

第6章 世界を動かす量子科学
ニュートンは電子メールを送らない!/メンデレーエフと七並べをする/元素の面通し/原子のつくり方/原子軌道/パウリ、舞台上手より登場/分子/ここまでのまとめ/パウリの新しい力

 

第7章 論争—アインシュタインvs.ボーア…そしてベル

四つの摩訶不思議/いったい、どうしてこんなに奇妙なんだ?/重ね合わせ状態の系譜/隠れたものたち/EPRの挑戦――量子もつれ/ボーアがEPRに言ったこと/もっと深い理論?/ジョン・ベル/ベルの定理、登場す/ベルの思考実験を言葉にする(少し式も……)/非局所性と隠れた変数/結局、ここはどういう世界なんだ?

 

第8章 現代量子物理学
量子力学と相対性理論を融合する/ E = mc2 /平方根の世紀/ポール・ディラック/ディラックの海で釣りをする/ディラックの海の困ったエネルギー/超対称性/ホログラフィー/ファインマンの経路積分/凝縮系物理学/伝導帯/ダイオードとトランジスタ/儲かる応用

 

第9章 重力と量子論—弦理論
一般相対性理論/ブラックホール/量子重力?/弦理論/超弦理論/今日の弦/ランドスケープ

 

第10章 第三千年紀のための量子物理学
おびただしい数の世界……でも、時間はあまりない/存在し、かつ、存在しない/量子の富/量子暗号/量子コンピュータ/未来のすごいコンピュータたち/フィナーレ

 

補遺 スピン
スピンとは何か?/交換対称性/ボソン/フェルミオン

 

謝辞
訳者あとがき
原註
索引

著者紹介

レオン・レーダーマン&クリストファー・ヒル

レオン・M・レーダーマン 一九二二年生まれのアメリカの実験物理学者。ボトムクォークの発見で知られる。一九八八年にミューニュートリノの発見によるレプトンの二重構造の実証でノーベル物理学賞受賞。イリノイ数学科学アカデミーの常任研究員、フェルミ国立粒子加速器研究所名誉所長であり、イリノイ工科大学プリツカー科学教授。著書にThe God Particle(『神がつくった究極の素粒子』高橋健次訳、草思社)、クリストファー・T・ヒルとの共著にBeyond the God Particle 、Symmetry and the Beautiful Universe(『対称性』小林茂樹訳、白揚社)がある。

 
クリストファー・T・ヒル 理論物理学者。シカゴ大学物理学科非常勤教授、客員研究員、オックスフォード大学客員研究員を経て、フェルミ国立粒子加速器研究所理論物理学部長。理論物理学と宇宙論についての論文を100篇以上執筆している。

翻訳者紹介

吉田三知世

京都大学理学部物理系卒業。英日・日英の翻訳業。訳書にダイソン『チューリングの大聖堂』、クラウス『ファインマンさんの流儀』、ファーメロ『量子の海、ディラックの深淵』、ウィルチェック『物質のすべては光』、ボダニス『E=mc2』(共訳)、マンリー&フォーニア『アメリカ最優秀教師が教える 相対論&量子論』、ガブサー『聞かせて、弦理論』、ジョンソン『もうひとつの「世界でもっとも美しい10の科学実験」』ほか多数。

書評情報

日経サイエンス 2014年10月号 筒井泉(高エネルギー加速器研究機構)

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