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定価 本体 2500円(税別)
B6判 上製 ・248ページ
2016年 7月 20日 刊
ISBNコード:978-4-8269-7160-7
分類コード:C0011

がんという病と生きる 森田療法による不安からの回復

北西憲二・板村論子 著

がんから始まる新しい人生

日本を代表する精神療法である森田療法に基づき、がん患者のための集団精神療法に長年にわたり携わってきた著者たちが、豊富な具体例とともに、がんによる心の苦しみから回復する道筋を提示する。

目次

1 がんと森田療法

◆森田療法の可能性

なぜそれが有効なのか/ニューヨークからの報告

◆がん患者に対する精神療法の現状

見放される中間期のがん患者/欧米モデルとその問題点/森田療法の位置づけ/これまでの取り組み

 

2 がん患者のためのグループワーク

◆グループワークの理論

森田正馬が行ったグループワーク/グループワークの治療的因子

◆グループワークの実践

森田療法に基づくグループワーク/グループで語られたこと(前期)/グループで語られたこと(中期から後期)

◆グループワークの考察

どのようなグループだったのか/病の経験から生き方の模索へ/生と死をめぐって

 

3 がんサバイバーとその人生

◆がんサバイバーへのインタビュー

対象者と方法/病の経験と変化のパターン

◆がんサバイバーの危機、転機、その後の生き方

事例1 がんが教えてくれた自分らしい生き方(55歳男性・直腸がん)
事例2 2つの人生を生きる(70歳男性・直腸がん)
事例3 仕事中心の生活からの脱却(60歳男性・大腸がん)
事例4 うつ状態を転機にして(69歳女性・乳がん)
事例5 傷つける言葉、支える言葉(69歳男性・大腸がん、肺がん)
事例6 病と離婚(57歳女性・大腸がん)
事例7 体からのメッセージ(64歳男性・食道がん)
事例8 すべてを投げ出さないで、今できることをする(63歳女性・大腸がん)
事例9 死の裏側に生を見る(57歳男性・肝臓がん)
事例10 夫婦で二人三脚の闘病(74歳女性・子宮頸がん)
事例11 自然体で生きる(75歳女性・卵巣がん)

◆インタビューを終えて

対象の特徴/がん治療における自助グループの重要性/生き方を転換させるものとしてのがん/不安、抑うつの意味/がんサバイバーの回復のプロセス

 

4 三人三様の生と死をめぐって

◆つながりのなかの生と死――Eさん(女性・61歳)

壮絶な闘病生活/不安にゆれる/話す内容の変化/家族を思いやること、感謝の心/二人称の死

◆諦念のなかの死――Wさん(女性・58歳)

人生で初めての病気が「がん」/担当医のへの怒りと反骨/家族の死を通して/身体的なつらさ、死に直面しながら生きること/治療者に過去を振り返ること、一人で死ぬこと

◆葛藤のなかの死――Xさん(女性・40歳)

不安と生きたい心の間で/がんの両義性/力を抜くこと、ゆるめること/できないことはできなくてよい/原家族とのつらい思いを語る/母親と娘の関係/過去から今へ/がんと共に生きる苦悩、厳しい現実

◆三者三様の生と死

 

5 森田療法の死生観
◆「生の医学」と「死の医学」

現代医学の5つの特徴/死の概念

◆がん患者の苦悩をどう理解するのか

森田療法の自然論/自己のあり方/苦しみをもたらす反自然的なあり方/人生の危機と逆三角形の自己

◆がん患者における自己と環境の不調和

自己意識と身体性、内的自然の非同調/自己と環境の非同調/死をめぐって

◆苦悩に抗う生き方から受け入れる生き方へ

不安定で、過度に緊張した自己意識を削る/身の丈にあった人生へ/体と折り合う/関係の作り直し/病が教えてくれるもの

◆森田正馬の喪失体験と死生観

死の恐怖と二人称の死/森田正馬の死生観/そのものになりきること、その連続性

◆これからの医療

 

付録・神経症性障害とがんの体験

著者紹介

北西憲二・板村論子

北西憲二

森田療法研究所・北西クリニック院長。東京慈恵会医科大学医学部卒業後、同大学附属第三病院にて入院森田療法を行う。1996年森田療法研究所・北西クリニック(外来森田療法専門クリニック)を開設。2001年から10年間、日本女子大学人間社会学部教授。

主な著書に『我執の病理』、『回復の人間学』(ともに白揚社)、『慢性うつ病からの離脱と森田療法』(講談社)、『森田療法を学ぶ』(金剛出版)などがある。

 

板村論子

安田病院心療内科、統合医療アール研究所所長。関西医科大学卒業、京都大学大学院博士課程修了、医学博士。東京慈恵会医科大学、帯津三敬塾クリニック院長を経て現職。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本心療内科学会上級登録医・評議員、日本心身医学会専門医、日本森田療法学会認定医。日本統合医療学会認定医・理事。日本ホメオパシー医学会専門医・専務理事。日本人初の英国Faculty of Homeopathy専門医。訳書にSwayne編『国際ホメオパシー医学事典』、ローズほか『女性のためのホメオパシー』(ともに共訳 エンタプライズ)、メイズ『妊娠力』(監訳 東京堂出版)など。

書評情報

精神療法 2017 Vol.43 No.1 村田豊久(村田子ども教育心理相談室)

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