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定価 3300円(本体 3000円+税10%)
四六判 上製 ・361ページ
2022年 4月 11日 刊
ISBNコード:978-4-8269-0237-3
分類コード:C0011
Wayfinding by Michael Bond

失われゆく我々の内なる地図 空間認知の隠れた役割

マイケル・ボンド 著 竹内和世 訳

ナビゲーション能力は、

長い進化を通して培われた人間の根源的な力

 

私たちは人類史上初めて、その力を手放そうとしている

そこにはどのような代償が伴うのか――

心理・脳・社会など多彩な論点であぶり出す、空間認知の驚きの真実

 

ナビゲーション能力は、空間を把握する以外にも、「出来事を記憶し思い出す」「人間関係を理解する」「抽象的な概念を操る」「良好なメンタルヘルスを保つ」「認知症を防ぐ」など、さまざまな働きにかかわっている。

 

GPSや現代的な生活によって、方向や場所を把握する必要のなくなった今、その力は急速に衰えはじめている。人間に備わるナビゲーション能力が、人を人たらしめているものだとしたら、それを失うとどうなるのだろうか――その危機感を柱に、人と場所、心と空間の関係を、心理学、人類学、神経科学、社会学などから探る。

目次

まえがき
第1章  最初のウェイファインダーたち
第2章  うろつきまわる権利
第3章  心の中の地図
第4章  考える空間
第5章  A地点からB地点へ、そして戻る
第6章  あなたはあなたの道を行き、私は私の道を行く
第7章  自然を読む
第8章  道に迷うことの心理学
第9章  都市の感覚
第10章 私はここにいるの?
第11章 道の終わり

謝辞

訳者あとがき

原注

著者紹介

マイケル・ボンド

サイエンスライター。『The Power of Others』で2015年イギリス心理学会賞を受賞している。

翻訳者紹介

竹内和世

翻訳家。東京外国語大学スペイン語科卒業。主な訳書に、モリス『ドッグ・ウォッチング』(平凡社)、ニコル『北極探検十二回』(新潮社)、ドミンゴ『図説:航海と探検の世界史』(原書房)、マークス『ビーグル号の3人』、ヒルツ『記憶の亡霊』、アーヴァイン『欲望について』『良き人生について』、ネトル『パーソナリティを科学する』、バーリー『ナポレオンのエジプト』、ホロウィッツ『犬から見た世界』『犬であるとはどういうことか』(以上、白揚社)などがある。

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